弁護士は相談料として愛を請求する

 それって……。

「もちろんだよ。私はのんの側にいられるならどうでもいい」

「いやどうでもよくないだろ。セフレじゃあるまいし。お前が子供好きなのは知ってるし、自分の子が欲しいだろうということもわかってる。ちゃんと先を考えてるよ」

「……のん」

「ま、俺もまだ駆け出しだからな、もう少ししてからにしたいんだ。そうじゃないとお前をいつもこの部屋でひとりにしてしまう」

「のんのタイミングで構わない。両親には私から話しておくから気にしないで」

「悪いな。お前のゴタゴタは独身にしておくと続きそうな嫌な予感がするから、さっさと指輪だけでもして首輪付けとくか」

「そうだね、指輪すれば恋人いるって周りにわかるから、のんには特にいいんじゃない?」

「それもそうだ。お前のこの騒動で俺はお前が彼女というのは嘘でフリーに戻ったと思われたらしい。最近色々あって本当に迷惑だったぞ」
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