弁護士は相談料として愛を請求する

「大丈夫ですか?」

 彼女は私を見るとうなずいた。そして服をパンパンとたたいて、綺麗に直すと、ため息をついた。

「助けてくれてありがとう。ちょっとやり方がすごかったけどね。弁護士相手に足踏んづけるなんてやるわね」

「……そうですよね。あとで何か訴えられたりしますかね」

 すると彼女は笑い出した。

「はでに大声でやっていたから、目撃者もいるだろうし、職業柄まずいという認識くらいはあるんじゃない?あなたこそ、肩大丈夫?結構強い力であなたのことをあいつ……本当最低」

 実は少し肩が痛い。でも心配かけたくないので笑ってごまかした。

 すると彼女はお礼としてコーヒーを奢らせて欲しいというので、お言葉に甘えて向かい合わせに座った。うん、やっぱり見たことがある。

「あの……」
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