弁護士は相談料として愛を請求する

「あなた、もしかしてさっき『すず』って呼ばれてたわよね?」

「え?あ、そうです。名前は鈴音ですけど、みんな『すず』って呼ぶんです」

「私のこと……もしかして覚えてる?」

 やっぱりそうだ。志穗が知り合いなの?と私達の顔を見比べて話した。

「やっぱり……もしかして、のんの……古川君の大学時代の彼女さんですよね?」

「ええ!?」

 志穗が驚いて大声を出した。

「やっぱりそうだったわね。望の幼馴染みよね。昔一度年末に鉢合わせしたとき挨拶したもの。顔は正直少し忘れてたんだけど、すずっていう呼び名がしょっちゅう聞いてたからよく覚えてる」

「……元カノさんって大学のマドンナだったという?」
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