弁護士は相談料として愛を請求する
「「ええ!?」」
祐子さんは私を見て言った。
「あなたのことは正直うんざりするくらい大学時代に望から聞いていた。望はあなたのこと交際相手には決してならないと明言していた。それでも、あなたから連絡が来ると彼女の私より優先する。文句を言うと、どうしても譲れない、すずは男が苦手で何かあったら自分で対処できないから病気がひどくなると真顔で言うの」
「……す、すみませんでした。ご迷惑おかけして本当に、別れたと聞いた時は本当に謝った方がいいかと思ったくらいです」
「馬鹿馬鹿しくてね。別れると言ったら反省するかと思ったの。試す意味で言ったのに、わかったとひと言。あっけなかった。私の方がしばらくひきずってしまった」
志穗がコーヒーを飲みながら、彼女に言った。
「すずは正義感もあるし、今日のように人のためには何でもしてしまう。そのくせ、自分のこととなると男の人に立ち向かえなくて最近も色々あったんですよ」
「ふふふ、知ってるわよ。宝田副社長の後添いになりそこねたみたいね」