弁護士は相談料として愛を請求する

 どうして知ってるのー!信じられない。私が恥ずかしくて下を向いたら志穗とふたりで話している。

「もしかして、事務所で聞いたんですか?」

「ううん、前の事務所で堂本の子会社も担当していてね、耳に入ってきたの。望のお姉さんと堂本の副社長が交際しているのは知っていたので、結婚されて望が親族になったと思ってたから興味があってね」

「そうだったんですね。恥ずかしい……」

 私が答えたら、祐子さんは志穗を見て言った。

「望の気持ちが少しわかったわ」

「そうでしょ?私も結局彼と一緒ですよ。心配ですずを放っておけないの」

「本当ね。今日の様子を見たら、私も心配だわ。ずっと見続けてきた望があなたを優先する理由がやっとわかった」

「でしょ、でしょー!」
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