弁護士は相談料として愛を請求する

 祐子さんの隣に座ったのんはコーヒーを頼むと向き合った。

「あなたの幼馴染みに助けられたのが私よ」

「はあ?」

 のんは鳩が鉄砲玉を食らったかのような顔をして驚いた。

「例の元カレよ。しつこくてね、身体拘束されて危ないところだったの。彼女が彼の足を踏んでくれて、そしたら彼女が突き飛ばされてしまって……」

「何だと!?怪我したのか?馬鹿っ!」

 のんはすごい顔で私を見た。怖いよー。志穗が助け船を出してくれた。

「落ち着いて、古川君。大丈夫だよね、すず?」

 実は少し痛い。
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