弁護士は相談料として愛を請求する
「うそ、大丈夫だよ。のん、志穗もいるのに……」
「すず。また会えるから大丈夫。今日は楽しかったよ。最後はびっくりしたけど、ああ、すずといるんだなと実感した」
「すずさん。本当にごめんね。何かあったら望経由でキチンとするから心配しないで。お大事にしてね」
祐子さんが立ち上がって頭を下げた。
「じゃあな、二人とも。あ、木村さん、涼によろしくな。たまにはこっちに顔見せろって言っといて」
「会いたいなら古川君が行くべきね。涼は忙しくて無理よ」
「……へいへい。行くぞ、すず」
荷物を持って先に行ってしまう。私は手を振る二人に頭を下げて追いかけた。