弁護士は相談料として愛を請求する

「すず、お前。本当に危機管理がなってない」

「危機なんて起きないもん」

「あほすず!」

「あほのん!」

 二人で顔を見合わせて笑い出した。

「……すず」

「……ん?」

「とにかく一緒に暮らそう。家も捜そう。結婚前提で。来年結婚しようか」

「何それ?明日どこかに行こうかと同じテンションで聞くこと?」

「だって、結局俺は昔からすずと結婚してるようなもんだよ」

 私は祐子さんの先ほどの話を思い出した。
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