弁護士は相談料として愛を請求する
少し今朝は期待していた。『すず、付き合おう』って言ってくれるかなって……。でも、彼は恋人になろうとも、付き合おうとも言ってくれなかった。よりにもよって、やっぱり朝から相談料と言われた。
私ってのんにとって何なの?相談料をこれにしたということは、相談したかったら……またしないといけない。私からは言いづらい相談料にして、彼女になれとも言われなかったということは……私と距離を置くためのような気がするのだ。
でも、ゆうべ彼とそういう関係になってわかったことがある。夕べのようなことを他の男性とできるのかというと……絶対出来ないような気がするのだ。
こんなこと好きな人なら出来るんだろうか?いや……すぐには絶対無理だ。そのせいもあって、彼氏を作りたいという気持ちは、今朝になって綺麗さっぱり消え失せてしまった。
こういう気持ちに私がなることも見越していた?付き合おうと言ってくれなかったということはこれっきり?それとも相談する度に?それにもしかしてそうなったら、私ってセフレなの?
色々考えるだけ無駄だった。結局、朝食を食べたらいつも通りの二人に戻った。幼馴染みの距離感。昼過ぎに外へ出て、食事をしてぶらぶらして駅まで送ってもらい、電車で何事もなかったかのように別れて、家へ戻ったのだった。