弁護士は相談料として愛を請求する
「のんはいつも私を優先してくれてたんだってね。彼女よりも。本当にありがとう。でも別れさせてごめんね」
のんは肩を怪我してない左側に座ると私を抱き寄せた。
「最初っからお前とこうなると認めてればよかった。俺は遠回りしすぎた。ちょっと考えればわかったことだったのに……」
「そういえば、志穗と祐子さん気が合うらしくて盛り上がってた。何なんだろう……」
「祐子がお前のことが心配な俺の気持ちがよくわかったとさっき連絡よこしたよ。お前の怪我も心配してた」
「……え?」
「木村さんもお前のこと心配ばかりしてる。だから気が合うんだろ。どっちも気が強いし……」
「美人だよね……はあ」
「すずはどうしてそう顔のこと言うんだ?言っただろ、俺はお前がブスでもいいんだよ。すずならそれでいいの」
「……それって全然嬉しくないんですけど」