弁護士は相談料として愛を請求する

保育園と弁護士

 
 金曜日にのんのところに泊まり、結局、家についたのは土曜日の夜だった。帰り際に言われたが、日曜日はのんの仕事が入っていたのだ。

 のんは昔から我が家では信用があった。でも、さすがにいい年の娘が幼馴染みとはいえ、ひとり暮らしの男の家から帰ってきて何も言わないはずはない。

「鈴音。そこに座りなさい」

「……どうしたのパパ」

「どうしたのじゃない。昨日、どこに泊まったんだ?」

「あ?え?あ、だからのんのところ。すごいとこに住んでたよ、タワーマンションの三十八階。摩天楼だった」

「鈴音。お前、望君とどういう関係だ?もしかして……」

 私は焦った。顔が赤くなったかもしれない。パパはそんな私を睨んでいる。ママが間に入ってくれた。
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