弁護士は相談料として愛を請求する
「パパ。望君からでメールをもらってるのよ。鈴音がかなり飲み過ぎて酔って歩けないから、部屋に連れ帰って寝かせてくれたそうよ」
「そんなの言い訳だろ。馬鹿だな、お前も……」
「言い訳だとして何か文句でもあるの?すずの相手が他の人の方がいいの?望君に何でも鈴音のこと頼んできたのはパパでしょ」
やばい。ふたりで喧嘩がはじまった。基本的に望は信用されている。あちらの両親ともうちの両親は仲がいい。
ただ、パパは最近とても心配している。私が普段仕事でもしない化粧をして合コンから帰ってきたりしているのを目にしてママに問い詰めたらしい。
私が隣を歩く男性にさえ、高校時代まで怯えていたのを知っているからだ。
「あ、あのさ。のんは弁護士になってすごくモテるらしいし、私なんて眼中にない。安心して、パパ」