弁護士は相談料として愛を請求する

「何が安心してだ!お前は柄にもなく合コンだなんだと色々出かけて大丈夫なのか?どうやったら安心なんて出来る」

「鈴音、部屋の片付けはしたの?グチャグチャだったわよ」

「あ、ああ、そうだった。片付けしなくちゃ。あ、ママのクッキーすごい美味しいって喜んでたよ、のん。お礼言ってたよ」

「ああ、それはメールでお礼言ってくれたわ。いい子よね相変わらず。望君がその気になって鈴音をもらってくれたら万々歳だけど、ねえ……」

「あ、片付けなくちゃ、じゃあね、パパ」

「鈴音、話はまだ……」

 ひらひらと手を振って逃げ出した。最近、両親はのんのお姉さんである古川家の遙さんの話をよくするのだ。

 実は長女の遙さんが大きな会社の副社長夫人になった。お子さんも出来て、古川家はセレブの親戚になった。しかも、のんも弁護士試験に合格してセレブ入り間違いなし。あんな所に住んでるんだから、すでにセレブ?
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