弁護士は相談料として愛を請求する

 そんな志穗には涼君という彼氏がいる。そう、のんの親友だ。涼君はのんよりモテた。のんは口が達者で毒舌キャラ。それに対して涼君は無口でクール。頭がいいのはのんと一緒だが、そこが違う。

 私的には気軽に相談できるのんのほうがいい。毒舌だろうと、なんだろうと相談に乗って色々助けてくれる。涼君はとっつきにくい。確かに黙っていてかっこいいけど、私的には違う。

 志穗はしっかり者だし、涼君といいコンビだ。ふたりは、涼君が医者になってから付き合いだした。時間がなくなってお互いを信じ合うには付き合うのがいいと素直になったからだと言っていた。

『のんはすごいところに住んでたよ。まあ、その話は追々今度ね』

『例のホテルへ連れ込まれそうになった合コンのこと話したんでしょ?怒られたんじゃないの?それだけで済むとは思えないから何かあったでしょ?』

 二度見してしまった。何なのこの文面。見ていたの?どういうこと?

 返信できず画面を見てあっけにとられていたら、着信音が鳴った。
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