弁護士は相談料として愛を請求する

 そう言うと、名刺を全員に配りだした。あ、なんで私にはくれないの?手を出した私を無視した。

「あと、倉田は騙されやすいですので、皆さんあまり紹介しないでください。そうじゃないと、幼馴染みの私に何でも相談してきて迷惑していますので。ではよろしくお願いします」

「「あっははは!」」

 みんなが笑い出した。何なのよ!

 あっけにとられている私を尻目に、のんはたくさんの若い女性の保育士に囲まれてニヤニヤし出した。許せない。聞いてた話と違いすぎる。フルフル震えて怒りを抑えていたら、重田先生が近づいて来た。

「倉田さん」

「あ、はい」

「ちょ、ちょっといい?」

 隣の桃組に連れて行かれた。
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