弁護士は相談料として愛を請求する

「あのさ、先週紹介した合コンで杉本の奴が君に何かしたんだね?」

「あ、えっと。その。だ、大丈夫です。何事もなくとりあえず終わりました。あ、杉本さんのこと、蹴っ飛ばしてしまって、あのその……」

 重田先生は私に頭を下げた。

「ごめん。話を聞いたら何かごまかしているから嫌な予感がしていたんだ。もしかして、蹴っ飛ばさないといけないようなことをあいつがしたんだね?」

「あ、でも大丈夫です。私も悪かったし、未遂に終わりましたので……」

 あ、まずい。未遂って言っちゃった。

「君の幼馴染みが弁護士だったとは知らなかったよ。頼む、杉本を訴えないでくれよ。あいつにはきつく叱っておくからさ。この通り。本当にごめん」

 重田先生が手を合わせている。
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