弁護士は相談料として愛を請求する
待ち伏せする弁護士
土曜日になった。
私は昨日まで悩み続けたが、どうしてものんに連絡出来なかった。
初めて志穗の言うことに逆らった。そして、のんに相談したいことを、初めて相談せずにスルーして当日を迎えた。
今までは会えなくてもメールで連絡して返事をもらっていた。今回はそれもしなかった。
相談の対価というネックがあったのは確かだ。そして、もしかしてセフレ扱いかもしれないのに、のんにそのことを聞く勇気がなかった。
こうやって、相談しなくなれば甘えきりだった私との関係も変わっていくだろう。のんが望んでいるのはそういうことなのかもしれないと今更ながら気づいたのだ。
「倉田先生。こんにちは。今日も可愛いですね」
吹田さんは上から下まで私を見て微笑んだ。絶対私の顔はこわばっていたと思う。