弁護士は相談料として愛を請求する

「吹田さん。わかったでしょ?これ以上こいつを追い詰めないでやってください。邪魔して悪かったが、教えないとわからなかっただろ?行くぞ、すず」

「……」

 呆然としている吹田さんを前に私達は席を外れた。のんに連れられて外に出た瞬間、外の日差しと緊張が途切れたせいでめまいを起こして私はふっと気が遠くなった。

「すず!?」

 そのままのんに倒れかかってしまった。

 気がつくと木陰のベンチだった。のんの膝の上だ。彼の香水の香りがする。目の上に冷たいタオルが乗っている。タオルを持ち上げて周りを見た。

「……気がついたか?」

 のんがタオルを受け取ってくれた。心配そうに上からのぞきこんでいる。
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