弁護士は相談料として愛を請求する
「……うん。喉が渇いた……」
そう言うと、ペットボトルのお茶を蓋を取って渡してくれた。身体を起こそうとしたらふらりとして横に倒れかかった。のんはびっくりしてペットボトルを置くと、私を支えた。
「すず、大丈夫か?まだ顔色が悪いな」
私の背中を支えて、ペットボトルを口元に持ってきてくれた。
「ごめんな。俺の言い方が悪くてあいつを刺激しすぎた。すずを怖がらせたんだよな……これじゃ弁護士失格だ。お前のこととなると理性が働かなくて……」
「ううん。そんなことない。助けてくれてありがとう。私って全然成長してないね。吹田さんがどんな人かわかってなかった。あんな人だったんだね。男の人ってどうしてみんなすぐに触りたがる……」
「すず。男が好きな女に触りたいのは普通の欲求だ。お前だってもし好きな男が出来れば、そいつに触れたくなる」
私は無意識で呟いていた。