弁護士は相談料として愛を請求する
「ただの幼馴染みじゃなくなったよな。つい最近。俺はお前の『処女』をもらうようなことをしたんだぞ」
回りに人がいるところでそんな話をするのんを見て私はびっくりした。のんの口を両手で押さえた。
「ちょっと、あほのん!」
「すず……その『あほのん』って二度と言うなって言ったよな。どうして言いつけを守れないんだ?」
「だって、本当のあほなんだもん。こんなところでそんなこと言う人はあほですから。文句でもあるの?あほのん!」
「そんなこと言えるようになったなら大丈夫だな。少し歩くぞ」
駐車場に入った。のんの車が停まっている。
「乗れ。送ってやる」
「ありがとう」
運転席に座ったのんは私の顔を見て言う。