弁護士は相談料として愛を請求する
ひどい。私が言い返せないのわかっていて、そんな身も蓋もない聞き方しなくてもいいじゃない。猛烈に悲しくなってきて、下を向いたら涙があふれてきた。
「……っひっく……うう」
するとミントの香りがして、のんの腕の中に身体が包まれた。頭を撫でている。
「ごめん。言い過ぎた。すずがあまりに無防備で。何のために、俺に全部くれたんだよ?他の奴と付き合うためだったのか?考えたら頭が沸騰して、いても立ってもいられなくて……朝から来たんだ」
「ううっ……ご、ごめんなさい」
「すずは仕事なら男と話せるくらいにはなった。だが、強く出られない。男がまだ怖いんだよ。だから心配しているんだ」
「わ、わかった。しばらくは大人しくしてる。私も男の人とは少し距離を置きたい」
「どうだかね。仕事で関わる人は無視できないだろ」
「……」