弁護士は相談料として愛を請求する
そっと頭に手をやって、私の顎を持ち上げた。
「すず」
「……なに?」
「俺がいる」
「え?」
「すずにはいつも俺がいる。心配するな。大丈夫だ」
そう言うと、唇を重ねて優しく微笑んだ。また、頭を撫でた。
キスを普通にしてくるのん。私達は幼馴染だけど恋人?聞けないままこんなのダメだ。こんなことばかりしてるからいつまで経っても私……。
のんは黙って運転していた。お互いどうしていいかわからない距離感だった。のんは私を家の前で降ろした。
「じゃあな。少しゆっくり休め。何かあれば連絡しろ」
彼は急いで仕事へ行ってしまった。