弁護士は相談料として愛を請求する
特別な幼馴染み~望side
すずは近所の同級生。ひとりっ子だったせいか、初めて会ったときはものすごい人見知りだった。笑顔が自然で可愛い子だ。身近な姉は美人だったので大抵は姉に負けると思っていたが、毛色の違う可愛さだった。まるで無防備なネコ。
小学生の時にすずをいじめっこから助けてからというもの、何でも俺に困ったときは頼るようになった。そして嬉しそうにありがとうと言って、俺の言ったとおりに実践する。信用しているとあの笑顔で言われるので裏切れない。
すずは星を見るのが好きで、中学生のときに一人で夜公園へ出かけた。男の人にいたずらされかけて、男性恐怖症になった。
それで引きこもりになりかけた彼女をお父さんが心配して、俺をいわゆるボディガード代わりですずにつけた。自分がついて行けないとき、ついていってやってくれと頼んできた。
すずは男性だけでなく、基本的に人が苦手だった。でも、自分も精神的に幼いからか、子供は平気だったらしい。根が優しいこともあって保育士になった。
勉強もあまり好きじゃないすずと違って、俺は勉強が出来た。段々思春期に入り、俺はすずを幼馴染み以上にできないとわかっていたので避け始めた。今思うとあいつには思春期がなかったのかもしれない。正直接点がないのに、まめに連絡してきては自分の事を色々と俺に相談する。