弁護士は相談料として愛を請求する
大学時代、俺の彼女がすずを優先したことを怒ってどっちが好きなんだとキレた。すずは幼馴染みだが、あいつは男が苦手で色々あって心配なんだと説明した。何度かすずの連絡を優先し、彼女は俺の態度に呆れた。
すると、彼女は別れようかと言ってきた。俺は迷わず、そうだなと言って別れた。正直すずを排除する彼女なんていらなかった。すずのお父さんにも頼まれたし、俺はあいつのためなら、ある意味、火の中水の中だった。
『そんなに心配して手を繋いであげて、彼女にはしないんでしょ?まるで大切な妹みたいね』そう姉に言われたこともある。姉も見ていてそうとしか言いようがないんだろう。
お互いに就職した。俺は弁護士になった。最初はとても忙しかった。それでも、なるべくすずとの時間を取るように気を配った。社会人になり、男性と仕事で付き合うことが必須となった彼女は最初すごく怯えていたのだ。
研修空けに三ヶ月ぶりで会ったすずは、久しぶりだったせいか甘えて飲み過ぎていた。だが、いつものように相談を始めた。