弁護士は相談料として愛を請求する

「すず」

「はい」

「訂正するのも疲れるから、一応言っておく。俺は色んなお悩み相談を受けて解決したりしている。それが仕事の一部だ。そして、そういう人からは相談料というお金を頂いている」

「……なるほど。うん、それがどうしたの?」

「お前がさっき言っていたような話は相談を受けたことがある。強姦未遂やお互いの合意のない性行為。いいか、お前が俺に相談しているのはれっきとした俺の仕事になりそうな話だ」

「それがどうしたの?そんな話以外も色々のんに聞いてるよ?」

「最近のお前の相談は男の事が多い。今日のように同僚の友人にホテルへ連れて行かれただの、抱きしめられそうになってどうこうとか……セクハラまがいだ」

「……セクハラ……」
 
「立派に金も取れる案件でもある。いいことを考えたぞ。お前が俺に罪悪感を抱かずに相談できる方法だ」

 のんが目を光らせてこちらをじっと見た。
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