弁護士は相談料として愛を請求する

 俺は次の手を打った。保育園の園長に連絡してすずの幼馴染で弁護士であること、よろしければ顧問弁護士になると伝えたのだ。

 すずから園長が色々そういった問題を相談するところがないと嘆いていたと聞いていたのだ。園長に俺のヒミツを教えたら信用してくれてすぐに承諾してくれた。渡りに船。うまくいった。

 保育園に出かけた俺は早速その場で皆に挨拶した。あのときのすずの顔。最高だった。でも俺が顧問弁護士についた本当の理由をあいつはわかっていない。本当に困った奴。

 そして、おとといだ。木村さんと別な保育士からも連絡をもらった。全部すずのこと。取引先の奴と研修に行くが、少し触られたことがあるから気持ち悪いとすずが言っているらしい。

 処女を俺に預けたから、男を作る気になったのか、それとも自分で何とか出来ると思っていたのかわからない。だが、それを聞いた俺はまたもや我を忘れそうになった。

 なんと相手は以前話を聞いていた奴だった。しかも一緒に出かけるのは三回目になるらしい。すずは俺に相談しづらいと言っていたらしいのだ。ほんとうに馬鹿なすず。

 土曜日の俺の仕事を無理矢理追いやり、朝からその何たら会館というところへ行った。すずに前日連絡すればいいことだが、俺は内緒で二人を尾行した。すずには荒療治が必要だとその時は思ったのだ。

 だが、あとで後悔した。すずは吹田の本性を見てパニックになりかけた。俺はすずの守り方を本気で考える時に来ていた。
 
 
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