弁護士は相談料として愛を請求する
第二章 立場の違い
保育園で帰り際、園長先生に呼ばれた。
「倉田先生、ちょっといいですか?」
「はい」
園長先生が応接室に使っているところへ入れられた。何だろ?まさか、のんのことじゃないよね。びくびくしていると、にっこり笑っている。
「ああ、素晴らしい幼馴染みを紹介してもらって、大変ありがとう。それでだね、実は古川先生に来てもらってすぐで大変申し訳ないことになってしまいそうなんだ」
「……はい?あの、彼が何かやりました?」
恐る恐る聞いてみた。すると、手を振って違うよと言われた。
「違うよ、申し訳ないのはこっちだ。倉田先生に隣町の双葉保育園へ一年間だけ産休補助で移ってもらいたいんだ。急な話で悪いんだが、その先生が切迫早産で入院してしまってね」