弁護士は相談料として愛を請求する

「……ええー!」

「倉田先生はあっちの駅の方が通勤も近いよね。本当はあっち希望だったと聞いてたんだ」

 確かにそうだ。私の家から近いのであちらのほうが楽だから面接のときはそうお願いした。でも空きがなくて、少し遠いこっちに決まった。まあ、こっちの駅は大きな駅だし、帰りに買い物したり便利だからそれはそれでいいんですけど。

「どうだろう?産休の先生がやっていたあちらの四、五歳児中心のクラスをもってほしいんだ。今は二歳児だから、きっと少し楽になるよ」

「確かにそうですね。二歳児は体力勝負です。移るとなるといつからですか?」

「そうだね、こっちのほうも急に先生が消えたら問題だから、先生のクラスを年長クラスの先生から一人回すつもりなんだ。その辺のことの引き継ぎを終えてから、早ければ一週間後くらいでお願いしたい。すまないね」

 やるなら急がないとだめだ。七夕祭もあるし、そっちの準備も忙しい。
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