弁護士は相談料として愛を請求する
「……嫌な予感がするんですけど」
「お前から相談料として金以外の対価をもらうことにする。お前は弁護士である俺にその対価を払って相談する。そうしたらお前迷惑とか言わなくなるだろ。彼氏も急に作る必要はない」
「何それ?何なの、急に。ちょっと、どういうことよ!?」
大きな声を出してしまい、周りの人がこちらを見た。
「ったく……静かにしろ、すず。迷惑だ。ついてこい」
そう言うと、のんはテーブルの上へ二人分にしては多いお金をおいて、マスターに手を上げて立ち上がった。私の腕を引っ張ると荷物を持ってくれた。
「……あっ!」
足下がふらついて、彼にぶつかった。
「大丈夫か?飲み過ぎだ。顔も真っ赤だぞ」
のんはふらついてぶつかった私の背中を抱き寄せてくれた。