弁護士は相談料として愛を請求する
遥さんは現在副社長の妻。先日、男の子を産んで、社長夫人が約束されているそうだ。確かにその弟が弁護士じゃ、目を付けられるかもしれない。
「そうなんだ……」
「若い有望な弁護士、しかもイケメン。結婚の話題に事欠かない。望君を婿にできれば堂本と親戚になれる。何しろ、現社長夫人も副社長夫人をかわいがっているって有名。つまりは、彼女の弟を手に入れれば有利になるって訳だ。副社長本人も望君の相手は慎重に選んでもらわないとってインタビューで答えてた」
そうだったんだ。私、馬鹿だね。のんは今そういう人になっているんだ。やっぱり、早くのんから卒業しないと迷惑かけてしまう。この間みたいなことは本当に……。
処女をあげたけど、彼女になってほしいとも、付き合おうとも言われていない。つまり、そういうことだ。
「そうなんだ」
「望君の相手は堂本家主催のパーティーで同伴しないといけないから、社会的に公表することになるのかもね。彼はターゲットなんだよ、セレブ女性の。分かる言ってること?」