弁護士は相談料として愛を請求する

 今日は金曜日。しかも久しぶりにのんと約束した飲みの日。のんは弁護士になって事務所へ入ってから忙しくて、全然会えなくなっていた。

 そのせいで、話すこともたまっていたし、遅くなっても送ってもらえると心が安心しきって、いつもよりも早いペースで飲んでしまった。

 肩を抱き寄せて歩いてくれる。背の高い彼の顔を下から見上げると顎が見えた。いつもと変わりないけど、服装が格好よくなった。

 スーツはやはり萌える。私は保育士だから、周りの男性もスーツで出社する人はいない。そのせいか、ビジネススーツを着た男の人に弱い。この間の人も最初紹介されたとき、スーツに堕ちたんだよね。

 のんは頭を下げて私をちろりと見て言った。

「ほら、キチンと足下を見て歩け。いくら俺がイケメンだからって見とれてるなよ」

「のんは、しばらく会わないうちにかっこも良くなったけど、なんだか随分えらそうになったね。弁護士さんて先生って言われてるんでしょ?女の人にもモテるらしいもんね」

 この間、親友の志穗がメールで言ってた。

「……まあな」
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