社内恋愛を始めたところ、腹黒上司が激甘彼氏になりまして
「ーーなるほど。頭が良くて何でもそつなくこなすが、素直じゃない、ね」
山猫のイラストを睨み、眉間にシワを作った部長。
「仮にそれが好きな男のタイプと共通しているなら由々しき事態だぞ? 土壇場で己の意思を表明出来ないのは不甲斐ないからな」
思ってもみない方向からの推察をされ、私は吹き出してしまう。
「何がおかしいの?」
「すいません。実は山猫を初めて見た時、部長に似てるって感じたんです。ほら、切れ長な目元とか柔らかそうな毛質がそっくりじゃないですか?」
本人と比べてみたら想像以上に似ていて、クスクス笑いが止まらなくなる。
部長はますますシワを刻んで不服そう。それがまた山猫に似ているものだから面白い。
「……ほぅ、つまりそれは僕が君のタイプって意味でいいのかな?」
「え? えぇ! いきなりどうして、そんな話になるんです?」
「僕が嫌いならば山猫というキャラクターを好きになったりしないでしょう? 少なくとも君は僕の容姿は好ましいんじゃない? そうか、顔立ちが好きか」
大胆なことをさらりと言ってのける。私の笑いは完全に引き、そこから部長のペースに飲まれていく。
「こんなことを言うと嫌味に受け取られるかもしれないが、僕はこの見た目で随分苦労をしてきてね。それは得した数を上回るくらい」
山猫のイラストを睨み、眉間にシワを作った部長。
「仮にそれが好きな男のタイプと共通しているなら由々しき事態だぞ? 土壇場で己の意思を表明出来ないのは不甲斐ないからな」
思ってもみない方向からの推察をされ、私は吹き出してしまう。
「何がおかしいの?」
「すいません。実は山猫を初めて見た時、部長に似てるって感じたんです。ほら、切れ長な目元とか柔らかそうな毛質がそっくりじゃないですか?」
本人と比べてみたら想像以上に似ていて、クスクス笑いが止まらなくなる。
部長はますますシワを刻んで不服そう。それがまた山猫に似ているものだから面白い。
「……ほぅ、つまりそれは僕が君のタイプって意味でいいのかな?」
「え? えぇ! いきなりどうして、そんな話になるんです?」
「僕が嫌いならば山猫というキャラクターを好きになったりしないでしょう? 少なくとも君は僕の容姿は好ましいんじゃない? そうか、顔立ちが好きか」
大胆なことをさらりと言ってのける。私の笑いは完全に引き、そこから部長のペースに飲まれていく。
「こんなことを言うと嫌味に受け取られるかもしれないが、僕はこの見た目で随分苦労をしてきてね。それは得した数を上回るくらい」