初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
白いTシャツと紺色の短パンだ。
これを着るのかと思うとドキドキしたけれど、ふと思い直してニオイを嗅いでみた。

決していやらしい気持ちがあったわけじゃない。
今までの部屋の様子を考えて、清潔かどうか心配になったのだ。

その結果、石鹸のニオイがしてホッと安堵のため息をついた。
一樹の部屋を見てしまった今、甘いときめきだってすぐに消えてしまう。

それを残念に感じながら服を着て部屋に戻ると、一樹はまだテレビを見ていた。

「あ、あのお風呂ありがとうございました」

ソファの後ろから声をかければ、一樹は顔だけで振り向いた。
「あぁ、お風呂の場お掃除もありがとう。大変だったろ」

そう言って自分の隣へ座るようにポンポンとソファを叩く。
お風呂場が散乱しているとわかっていたなら先に掃除してくれればよかったのに。

という文句は飲み込んで、優莉奈はおずおずと一樹の隣に座った。

すると自然と肩を抱かれて引き寄せられる格好になった。
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