初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
「うん。いい香りがする」
まだ少し濡れている優莉奈の髪の毛に鼻を近づけてくるものだから、恥ずかしくて仕方ない。

薄れていたドキドキが舞い戻ってくるのを感じる。

「今、服は乾燥機で乾かしてるから」
知らない間に優莉奈の服を洗濯してくれていたらしい。

「ありがとうございます」
小さな心くばりが嬉しい。

ここへ来たときにはどうなることかと思ったけれど、いいムードになってきたかもしれない。
一樹の肩に頭を預けてそう思ったときだった。

「乾いたらマンションへ送っていく」
「へ?」

思わず間抜けな声が出ていた。
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