初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
☆☆☆

初めての一樹の部屋は広くて窓も大きくて星が綺麗で、さすがだなと関心した。

あの部屋ならきっとすぐにでもいいムードになれたはずだった。
……清潔にしていれば。

人を、しかも女性を呼ぶのにあの汚さなどういうわけなのか。
一樹には元々その気はなかったんだろうか。

優莉奈は最寄り駅まで一樹に送ってもらったあと『もう大丈夫です』と断ってひとりで帰路を歩いていた。

こんなにモヤモヤとした気持ちのまま一樹とずっと歩き続けることがしんどかったのだ。

「なぁんかなぁ……」

彼氏の部屋を掃除することくらい今までにも何度かあった。
だけどあれほど汚い部屋は見たことがなかったし、お風呂に入れられてそのまま帰されたこともなかった。
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