初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
女性はサンダルをひっかけて出てくると優莉奈の顔をマジマジと見つめた。
優莉奈からしても女性の顔をマジマジと見つめることになって、幼い頃の記憶が鮮明に蘇ってきた。

「お、おばちゃん!!」
記憶と同時に懐かしさがこみ上げてきて思わず両手を伸ばす。

女性も優莉奈に手を伸ばしてふたりは抱き合って再開を喜んだ。
「私、おばちゃんの作るクッキーが大好きだったんだよね」

居間に通されてお茶をいただきながら優莉奈は呟く。
「今でも母親はお菓子作りが趣味だよ。今日だってきっと……」

俊介がすべてを言い終える前におばちゃんがホールのケーキを持って戻ってきた。
「はいこれ! 優莉奈ちゃんが戻ってくるってきいて、張り切って作っちゃったの!」
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