初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
少し歩くだけで小さな鳥居がいくつも通り過ぎていく。
「本当に神様が多いんだね」

「あぁ。神社ばかりじゃなくて寺もあるはずだけどな」
もちろんお寺もどこかにあるだろうけれど、今の所わからなかった。

それから更に歩いていくと木々に囲まれてほとんど見えなくなっている石段を発見した。
3段ほどしかなくて、今は苔むしている石段。

目の前に現れたそれと、夢に出てきた石段が一致する。
「ここ……!」

「うん。ここだ」
俊介が頷いて周囲を見回す。

神社の名前が書かれているはずだけれど、文字は霞んで見えなくなってしまっている。
手入れされているようにも見えないし、もしかしたらもう誰も管理していないのかもしれない。
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