初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
☆☆☆

「この前は掃除だけさせちゃってごめん」
昼休憩で食堂へ来たときだった。

自分から一樹に連絡を取るつもりでいたけれど、当人がそこで優莉奈のことを待っていた。
そして開口一番申し訳なさそうに頭を下げてきたのだ。

優莉奈は目の前の光景が信じられずに固まってしまう。
「思い返してみたら、あれはなかったよな。本当、ごめん」

頭をかいてうつむくその姿は怒られている子供みたいだ。
「あ、いえ……。まぁ、ちょっとは嫌でしたけど、頭をさげてもらうほどじゃないし」

「休みの日に母親が来るっていい出して、どうしようって焦って。その時に優莉奈ちゃんの顔が浮かんできたんだ。掃除を手伝ってくれるかなって」
「はい」
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