初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
それを聞いてホッとした。
メインの部屋とお風呂場は掃除したけれど、他の部屋は手つかずのまま帰ったことが少し気になっていたのだ。

リビングで寝てもらうにしても、トイレが汚いかもしれないと。
「それなら良かったです。今度は一緒に掃除しましょう」

そう言うと一樹がパッと顔を上げた。
「いいのか……?」

「一樹さんは掃除が苦手なんですよね? それなら部屋が汚れるのだって仕方ないです。だから、一緒に掃除をしましょう」
優莉奈の言葉に一樹の表情はみるみる明るくなっていく。

一樹は勢いよく優莉奈の右手を両手で握りしめると「ありがとう!」と、泣きそうな声で言った。
「許してもらえないかと思った。優莉奈ちゃんとの関係も、もう終わりかと」

「大げさですよ」
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