初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました～

《優莉奈：それは大丈夫です。それより、なにか用事ですか？》
《一樹：今日、できれば部屋に来ない？　この前のお礼もしたいし》

部屋に来ないという文面を何度も目で読み直す。
それって泊まりってことでいいんだろうか？

一樹はこの前のことをまだひどく気にしているようだから、今日は追い返されることはないはずだ。
《優莉奈：お礼なんていいですよ》

《一樹：それじゃ俺の気が収まらないんだ》
そう言われて無理に拒否すれば傷つけてしまうかもしれない。

お泊りする覚悟はまだなかった優莉奈は困り果てて天井へ視線を向けた。
「どうしたんですか先輩？　また喧嘩ですかぁ？」

「喧嘩じゃないけど、どうしようかと思って」
「どれどれ」

気がつくとマイちゃんが優莉奈のスマホを覗き込んでいる。