初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました～

スマートなのかそうじゃないのか、ここでは一樹の二面性がモロに出てくるみたいだ。
部屋の中を見回してみても、また少し散らかってきているのがわかる。

使ったタオルを元に戻さないとか、そういう些細な積み重ねが大きくなって、やがてどうしようもなくなるんだろう。
「言ったじゃないですか。掃除はまた一緒にしましょう」

「そうだね」
一樹は笑ってピザを口に運ぶ。

テーブルの上には他にもワインやシャンパンのお供になりそうなものが沢山並んでいる。
メインの料理がなくてもこれだけで十分お腹いっぱいになりそうだ。

優莉奈は生ハムをフォークで取って口に運ぶ。
丁度いい塩加減でシャンパンが進む。

話題は最近一樹が見たファンタジー映画に移っていった。
「あれは本当に面白い映画だよ。ぜひ劇場で見てほしい」

「そんなに面白かったんですね。でも、上映期間ってそろそろ終わりじゃないですか？」
「そうなだよ。次の土日くらいには終わるかもしれない」