初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
「それなら、次の休みに一緒に……」
そこまで言って言葉を区切る。

軽いのりでデートに誘おうとしてしまったが、一樹と一緒に表を歩いたときのなんとも言えない不愉快さを思い出してしまったのだ。
もちろん不愉快なのは一樹のせいではない。

一樹と自分をジロジロと見つめてくる人たちが原因だ。
それはわかっているけれど、次の言葉を紡げない。

「そうだね、一緒に映画を見に行こう」
一樹が無邪気に答える。

優莉奈は笑顔を作るので精一杯だった。
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