初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
懇願するように両手を顔の前で合わせるとマイちゃんは渋々といった様子で定食プレートを手に移動した。

どうせ後でマイちゃんから問い詰められることだろうから、今は我慢してほしい。

梓ちゃんがホッとした様子でマイちゃんが座っていた席に座る。
その手には野菜スムージーだけが握られていた。

「もしかしてお昼それだけ? 外回りの仕事は体力使うでしょう?」
思わず母親のような口出しをしてしまったけれど、それで梓ちゃんの緊張がほぐれたのかちょっと笑顔を見せてくれた。

あ、意外と可愛い笑顔も浮かべるんだ。
年下らしい一面に可愛さを感じたけれど、梓ちゃんはすぐに真剣な表情に戻った。

「率直な質問をしてもいいですか?」
「も、もちろん」

部署が違うから仕事に関する質問ではなさそうだ。
ゴクリと唾を飲み込んで梓ちゃんを見つめる。

「中宮さんと谷川さんは、どういう関係ですか?」
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