初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
「え? 私と俊介?」
驚いてつい俊介呼ばわりしてしまったことをすぐに後悔した。

梓ちゃんの前ではもっと配慮するべきだった。
「た、ただの幼馴染というか。小さい頃のご近所さんなんだよ」

「ずっと一緒にいたってことですか?」
「ち、違う違う。そうじゃなくて」

慌てて自分と俊介の関係を簡単に説明した。
「だからね、しゅん……谷川くんとはこの会社で久しぶりに再開したんだよ」

「そうですか……」
梓ちゃんが納得したように息を吐き出す。
けれど表情は険しいままだ。

「谷川くんとなにかあった?」
質問すると梓ちゃんは大きく頷いた。

「昨日デートで食事に行ったんです。谷川さん、お酒そんなに強くないのに私に合わせて沢山飲んじゃって、そのときに……中宮さんの名前を呼んでました」
え……?
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