初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました～

「今までって？」
優莉奈からの質問に首を傾げつつ、片手でパソコンの電源を入れる。

「恋愛がうまく行かなったときのこと。ショックで落ち込んだりとかは？」
「もちろん落ち込んでばっかりだったよ。でも今回はなんていうか……スッキリしたほうが大きいかな」

「ふぅん。それってやっぱり、俊介も梓ちゃんへの気持ちが薄かったってこと？」
「それもあるけど、たぶん……」

そこまで言ったところでパソコンが立ち上がり、俊介はすぐに仕事モードに入ってしまった。
たぶん、の次が気になったけれど今日は忙しい日だ。

あんまり無駄話をしてはいられない。
優莉奈は気持ちを切り替えて俊介と同じようにパソコンに向き直ったのだった。