初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました～
野菜がたっぷり入っているコンソメスープは素材の味を大切にしていて、薄めだ。
だからこそ旨味を感じることができる。

「先輩、今日って残業とかないですよねぇ？」
彼氏と何度かやりとりをしてマイちゃんが質問してくる。

この様子だと、残業があったとしても断られそうだ。
「特にないわよ」

月末になれば事務作業もなにかと忙しくなるけれど、今は大丈夫だ。
優莉奈も朝からメールの返信ばかりをしている。

「やった！」
マイちゃんが喜んで彼氏とのデートを取り付けている。

その様子を見ながら優莉奈も自分のスマホを確認した。
特に誰からも連絡もきていないけれど、こうしてスマホをイジるのは癖になってしまっている。

そんな自分に気がついて優莉奈はスマホを制服の胸ポケットにしまった。
「先に戻ってるわよ」

熱心にスマホをいじっているマイちゃんへそう声をかけて、優莉奈は立ち上がったのだった。
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