初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
ピアノの生演奏を楽しんでいると、最後のデザートが運ばれていた。
こぶりなケーキとプリンの2種類だ。

「わぁ、美味しそう」
さっそくスプーンを手にとってプリンを一口食べようと思ったときだった。

大ちゃんから緊張感が伝わってきた優莉奈は手を止めた。
顔を上げると大ちゃんがこっちをジッと見つめている。

「大ちゃん、どうかしたの?」
質問しながらスプーンを置く。

「あのさ優莉奈……」
大ちゃんがゴクリと唾を飲み込むのがわかって、優莉奈もつられて唾を飲み込んだ。

背筋を伸ばして大ちゃんの次の言葉を待つ。
「ごめん。別れてほしい!」

予想外のその言葉に思考回路がついていかなくて、咄嗟には反応できなかった。
大ちゃんは深く頭を下げてテーブルに額がくっついている。
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