初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
それは大西先輩と付き合っていると噂されているAちゃんだった。
Aちゃんは泣きながら大西先輩に掴みかかる。

Bさんはそれを止めに入る。
『ねぇ、あれって修羅場じゃない?』

友達が楽しげな声色で言ったけれど、優莉奈には聞こえていなかった。
呆然として3人のやりとりを見つめていることしかできない。

やがて女性ふたりの矛先は大西先輩へと向けられたが、大西先輩はヘラリと笑ったかと思うと全力で走って逃げ出したのだ。
『あ、逃げた!』

友達がそれを見て大笑いする。
『大西先輩って噂通りの人だねぇ』

友達が呆れ声でそういうのを聞きながら、優莉奈はそっとスマホの登録から大西先輩の番号を削除したのだった。
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