初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
☆☆☆

谷川くんの歓迎会はその週の金曜日に行われることになった。
当初は同じ部署の人間だけが参加する予定だったけれど、結局すべての部署に声をかけて参加できる人は全員参加ということになった。

それもこれも、谷川くんをひと目見たいと騒ぎ始めた女子社員が複数いたかららしい。
見た目も悪くないし仕事もできる独身社員に興味が湧くのも無理はない話だ。

その結果、総勢50人以上になったが、それでも予約を受けてくれた居酒屋には感謝しかない。
「先輩、谷川さんってやっぱり結構いい感じですよねぇ?」

座敷でも優莉奈とマイちゃんは隣同士だった。
いつも一緒にいるから、自然とそうなってしまう。

「そうかなぁ?」
優莉奈は温かいおしぼりで手を拭きながら曖昧に答えた。

振られてからそれほど経っていないから、他の男について言われてもピンと来ない。
優莉奈の胸にはまだ大ちゃんがいた。

「もう、いい加減元カレのことは忘れて前を向きましょうよぉ」
彼氏とダメになったことは一応マイちゃんにも伝えていた。
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