初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
こんなときに同伴のすればいいかわからずにマイちゃんへ視線を向ければ、テーブルに突っ伏して寝息を立てている。
マイちゃんに聞かれなかったことに安堵すると同時に、助けを求める相手がいなくて視線がさまよう。

マイちゃんと反対側に座っている俊介に視線を向ければ、こっちはこっちで和嶋梓という営業部の女の子とおしゃべりに夢中になっている。
グルリと自分の周囲を見回してから優莉奈は視線を一樹へ戻した。

「友達からってことで、連絡先を交換してもいい?」
言いながら一樹はすでにスマホを取り出しているので、優莉奈も慌てて自分のスマホを取り出した。

「小野木さんは彼女はいないんですか?」
「いないよ? いたらこんな風に声をかけたりしないから」

それもそうだ。
だけど優莉奈の脳裏にはどうしても今までの恋愛が蘇ってきてしまう。

一樹はカッコイイし人気があるから、高校時代の元カレのように三股くらいかけているんじゃないかと疑ってしまう。
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